【2010年05月28日】 タイトル: 研修医日記 vol.100
むつ総合病院一年次研修医の島田拓です。今週の日記を担当します。

17日(月曜日)

まず昨日イベントがありましたので報告します。
横浜町にて「なのはなフェスティバル」が行われ、同時開催されたマラソン大会に参加しました。当日は気候にも恵まれ、暖かい日差しと、穏やかな風に揺れる黄色い菜の花畑の中、同僚の皆と完走することができました。


菜の花と風車

 記録は平凡でしたが、むつ病院一年目の私にとって、大切な仲間達や先輩、指導医の方々との親交を深めるすばらしい時間を過ごすことができました。
 この季節の下北は美しく、遠くに見える風車、横浜町は周囲を山と海に囲まれ、時間の流れ緩やかな、まるで牧歌的な詩の世界を想起させる町。
 青森は私にとってチャンスをくれた特別な場所であり、この大切な土地で働けることは喜びであり、誇りに思っています。
 多くの人々との出会いを大切にし、一生懸命に自身を高めていきたいと思います。


一緒に走った皆さん

18日(火曜日)

 今日も業務の後は友達数人と食事にいきました。同学年の研修医は皆学生時代からの繋がりがあり、先輩の先生方の多くにも学生時代からさまざまな場面でお世話になりました。むつ病院は私にとっては家族のような場所です。私はまだ下っ端で、ほぼ無力ですが、大好きなこの病院とこの町を少しでも良くしていきたいです。


19日(水曜日)

 今日は業務の後、大学から応援でいらした先生や学生らと食事に行きました。
 むつ病院は弘前大学出身の先生が多いです。そのため皆、同じ科の先生方はもちろん、科を越えても仲間の意識を持っていると感じます。これは私がむつ病院を選んだ一つの理由です。
 恩や友情、絆こそが最も大切なものだと思います。なぜなら、人は一人きりでは生きられないからです。できるだけ多くの人々の心に響く人間になりたいです。
 医師として、患者や同僚、全ての人々と真剣に向き合っていきたいです。


20日(木曜日)

 今日は抄読会の日です。
 これは業務の後、我々の詰め所にてむつ病院勤務の先生方と親睦を深める会です。全体的な連絡や、新しく勤務する先生、訪れた学生の紹介などもこの場で行います。本日は外科部長の漢方薬に関する講演のあと行われました。
 この会には毎回、誰かの手により嗜好の凝った食材が用意され、今回も食事の他に良質のワインとスイーツが並べられました。食材豊かなむつならではの一品が用意されることもあります。
 外科部長をはじめ、外科の先生方は私がむつ病院に勤務するきっかけを作ってくださった方々です。学生の頃から大変お世話になりました。私は消化器外科を希望しております。早く一人前になり恩返しをしたいです。


21日(金曜日)

 今日は比較的早く業務が終了したため、近くまで買い物に行き、ラーメン屋で食事した後、病院の裏の研修医宿舎に戻りました。
 先輩のY先生イチ押しのアニメ「チャージマン研」をインターネットで観ました。一話が5分程度の短編アニメであり、古いものですが楽しい作品でした。


22日(土曜日)

 今日は朝の回診の後、六ヶ所方面までサーフィンしにいきました。
 天気は下り坂でしたが南からのうねり、腰から肩の波で久しぶりに海に入った私にとっては乗りやすかったです。帰ってからは同僚の研修医3人と食事に行ってきました。

むつ小川原港ポイント

コンディションは午後にかけて下り坂。サイズダウンし霧も立ち込めて来たためか人影もまばらに。


23日(日曜日) 

 今日は当直でした。
患者さんの来院がしばし途絶えたので今は医局でこれを書いています。
 18時現在、これまでのところ救急車が一台、転倒による左肋骨骨折の方が一名です。学生時代から指導してくださった循環器科のO先生のもと、無事今夜を乗り切れたらと思います。
 全国的に雨のようで、下北も霧雨でやや寒いです。
 気づけばもう日曜日。時間があっという間に過ぎていきます。
 医師になり二ヶ月、ようやく仕事のペースがつかめてきました。 
 明日からの一週間を終えれば次は泌尿器科での研修が始まります。自身の専門として考えている外科系での研修であり、期待を持っています。
 そうしているうちに院内PHSの呼び出しがありましたのでまた下に戻ります。 

 ~時間が過ぎました~ 
 23時現在、いろいろな患者さんが来院されました。今回は初めて経験する症例や手技が多かった。不整脈の患者さんにDCを施行し、心房粗動をとめる手技を2件経験できました。今まで私は循環器はあまり興味がありませんでしたが、あまりにダイナミックな臨床症状の改善を目の当たりにし、とても感動しました。これからは心臓のこともよく勉強したいと思えるきっかけになりました。忙しかったけれども非常に充実した時間を過ごせました。

 病院というというところは常に稼動している場所なのだとつくづく思います。こうして毎日夜が明けて、新しい一日を迎えることの繰り返しなのだろう。
 さまざまな人々が常に行きかう中で、時に息つく暇もないと思えるけども、そうした日々の生活の中で、一日でも早く自分のスタイルを確立し、一人前の医師になりたい。
 またこうしているうちに呼び出しがありました。行ってきます。
研修医1年目  島田 拓